介護現場の経験も看護師としてキャリアになる

介護現場の経験も看護師としてキャリアになる

施設での勤務経験が看護学校の教員としても役立っている

40代の女性看護師です。神経内科病棟3年、ICU4年、外科病棟5年、外科外来2年、住宅型有料老人ホーム2年と勤務し、現在は看護学校の非常勤教員をしています。病棟時代に学生実習指導をした経験から、自分のキャリアを生かし複数の現場で実習担当をしています。通常の病棟勤務以外にも、介護施設も経験したことはよかったと思っています。

私が経験した介護施設は、住宅型の有料老人ホームです。入居者の方は入居料3000万〜(居室のタイプによって価格設定あり)のほか、月々10万円の管理料等を支払われるようです。

私は、自力で生活が困難な介護を必要とする方が利用できる、介護室の担当でした。主に介護室での療養援助、ADL援助などのほか、日常的に必要とする入居者の看護処置および記録を行っていました。

看護師は10名でした。常勤3名(准看護師3)、準夜勤専属2名(正看護師パート1名、准看護師パート1名)深夜勤専属5名(正看護師パート2名、准看護師パート3名)という体制で、それぞれ勤務帯専属で働いており、残業も仮眠ありませんでした。オンコールは常勤にのみ、月3〜4回という感じでした。

看護師以外の職員との連携がポイントだった

そこの施設では、残業をしないことを目標に助け合って働く姿勢があり、人間関係はよかったです。介護士が10名勤務していましたが、看護師も含め全体の人数が少ないせいか勤務交代を申し出るのが厳しかったという点がちょっと大変でした。

業務の進行は介護士さんの指示が中心で、看護師は介護士の動きによって介助をフォローしているという状況でした。病状が気になる入居者への訪問は、介護士看護師ともに申し送りにて指示系統が確立していました。

職員の年齢層は40代後半〜60代で、インシデントが起きた時の事例検討への意欲が高く、看護師と連携して問題点改善のためのカンファレンスを行う機会もありました。問題点の解決に対する科学的根拠への理解を促すのは毎回困難を極めましたが、常に根拠のない「介護者」と「看護者」の上下関係をなくす意識改革に努め、類似職種が協力してそれぞれの業務追行に責任と誇りを持つといった啓蒙活動が管理者にもとめられ、遂行されていたところが働きやすさにつながっていたと思われます。

基本的に人間関係のよい職場でしたが、介護者の根拠のない劣等感から、キャリアの浅い看護師がいじめにあうシーンもありました。しかし、介護者の立場、看護者の立場はそれぞれ協力して業務追行するチームであることを折に触れて一人ずつ説いていきました。

やはり介護者の地位は看護師に比べて待遇も低いですから、介護士の専門性をより高めるためにインシデントカンファレンスの開催を介護士から提案され、協力して二度と起こさないスローガンを立てて対応しました。この経験が、私自身も介護シーンでの看護の在り方を再認識できた現場でした。

患者さん一人ひとりと向き合いたい人にはお勧め

医療現場で、日ごろゆっくり患者さんにケアを追求できないジレンマがある人や、デスクワークに追われて残業等でフラストレーションを感じている人、ゆったり腰を据えて入居者の一日一日をともに過ごす静かな時の流れを感じてみたい人には、介護施設の勤務はお勧めです。
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